一過性脳虚血発作~脳梗塞の前触れの可能性~
脳の病気を心配し、来院される患者さんに知っておいてほしい病気の中で、脳梗塞の前触れとしての一過性脳虚血発作という病気があります。脳動脈硬化などに よる脳の血流障害が原因で起こる一時的な発作で、大概2~5分くらいで症状が消失するため、医師が直接診察することはまずありません。しかし数年以内に 20~30%の人が重篤な脳梗塞を発症すると言われています。体の片側の腕や脚に脱力や麻痺、しびれが起こる、急に片方の目がかすむ、物が二重に見える、 突然錯乱が起こり会話ができない、感情の抑制ができずに泣いたり笑ったりする、体のバランスを失い転倒する、突然ひどい頭痛が起こるなど様々な症状が現れ ます。
短時間で軽快するため安易に考えがちですが、素人判断は危険です。医師にきちんと症状を説明して精密検査を受ける必要があります。この病気の治療目的は脳卒中の予防で、高血圧、高コレステロール、血糖値のコントロール、禁煙が大切です。
※マイタウンCUBE 2011年10月13日号掲載