高齢者のめまいと隠れ脳梗塞
めまいを訴え、脳卒中の前ぶれでは?と来院する高齢者が増えています。グルグル回る回転性のめまいでは、内耳障害が原因のメニエール病や良性発作性頭位めまい症が多く、一部には危険なめまいである小脳や脳幹に起こる脳卒中があります。危険なめまいの特徴は突然発症し、物が二重に見える、少し顔の動きがおかしい、口のもつれ、飲み込みが悪い、歩行がふらつく等の症状で、中枢性の脳病変を疑います。ふらふらする浮動性のめまいでは、脳血流の低下が原因である例が多く、精査をすると小さな小脳梗塞等が診断されヒヤッとします。高齢者の増加に伴い、隠れ脳梗塞によるめまいが増えています。危険な脳梗塞の予備軍なので、MRIによる早期発見が必要です。最近では、血液検査でアクロレインという物質を測定し、簡単に脳梗塞発症リスクを評価する方法が開発され、今後、健診等で有効な検査になると思われます。
※マイタウンCUBE 2012年2月号掲載