つまずいて転ぶ原因 (1)
転びやすくなる原因は、大きく分けて二つ。一つは『下肢筋力の低下や感覚障害』で、具体的には、脳卒中、脊椎の変形、骨粗鬆症、変形性膝関節症などが多い病気です。二つ目は『全身のバランスの障害』です。パーキンソン病や、小脳変性症、正常圧水頭症が代表的な病気です。今回はパーキンソン病についてお話しします。
最近段差につまずいて転びやすくなったと言ってこられた65歳の女性の患者さんの場合。じっとしているときに手や足が震える(振戦)、素早い動作がしにくくなる(寡動:かどう)、筋肉が硬くなる(固縮)を起こし、歩行は歩幅が小さくちょこちょこ歩きになり、転びやすくなります。背中が曲がってくることもよく見られます。病気のはじめはこれらのうち一つか二つの症状から始まります。大脳の基底核に変性が見られます。転びやすい方は専門医を受診することをおすすめします。
※マイタウン21あさお版 2011年5月1日号掲載